満開の桜の下で

満開の桜の下で

2019年3月8日 2 by_ 松尾 由紀子
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そろそろ、桜の開花予想が気になる季節になりましたね。
今年はいつから咲き始める? 満開になるのは? 撮り頃は?
今から桜前線の予測を見ては、撮影計画を練っている人も多いはず。

実はきものを着ている人も結構気にしているんですよ、桜の満開時期を。
なぜって?
それは桜の柄のきものを着る時期に関係しているのです!

きものは洋服に比べると、わりと全体的に柄が入っています。とりわけ、友禅などの染めの技法で柄が描かれたものは花鳥風月、自然の花などをモチーフにしたものが多いです。これは日本の四季の移り変わりが顕著なことに関係しているかと思われます。

そのため、「この花の柄のきものはいつ着ればいいの?」といった質問がよくよせられます。これは明確な答えがあるわけではないのですが、一般的には「その花が満開になる前まで」ということがいわれています。
なぜなら、「満開の花と競うのは野暮」という考えがあるからです。あと、きものの世界には「先取り」が粋というのもありますね。

 

桜モチーフのアンティークな昼夜帯。昼夜帯は両面使える、今でいうリバーシブルな帯。左側はそこまで季節にこだわらずに使い、右側は一緒に描かれているのが藤の花のようなのでやっぱり桜が散るまでにしておきましょうかね。

 

でも、これがすべてに当てはまるかというと、そうでもないのですよ。その中でも特にむずかしいのが最初に出てきた「桜」なんです。

桜は日本を象徴する花として、広く一般に浸透しています。当然、きものにも桜柄が多く、きもの自体に限らず帯や帯留など小物にも桜をモチーフとしているものがあります。

ここまでの流れで行くと「じゃあ、満開になる前までに着ればいいんじゃない」となるのですが、そうもいかないんです。
なぜかって? それは描かれ方によって変わることもあるのです。

広く浸透されているからこそ、桜の描き方は千差万別。花だけをモチーフとしていたり、しだれ桜のように枝振りもあわせて描かれていたりもします。
で、具象的か、抽象的かによっても着られる時期をわけたりもしているのです。

具象的(写実的)に描かれているものは咲きはじめから満開の前まで。抽象的(デザイン的)なものは通年でもいいかなぁ。という感じで、わたしは考えています。

ただ、デザイン的に施されていたとしても、全体的な印象が桜推しであればやっぱり開花期に合わせますけどね。

 

昨年3月24日の桜コーデ(写真左)、記録によると地元の桜はまだ満開じゃなかったようです。 帯は上の写真の昼夜帯、きものの八掛(この写真だと袖口の内側部分)が実は桜柄。 きものは裾まわり裏側の八掛など(写真右)、見えそうで見えないところにもこだわったりするのです。 ちなみに足袋も桜柄でした!

 

とはいえ、これは明文化された決まり事ではなく、個人の主観でもあります。
あまりそういうことに縛られると楽しめなくなりますものね。
粋か野暮かなんて、その人によっても基準が違いますし。
満開の桜の下でも、自然の美しさとあわせて楽しむというのもありだと思います。

季節に合わせて、きものの柄行を選ぶ。
それもきものの特徴、楽しみのひとつです。

さて、今年の桜コーディネートはどうしましょうかね?

(そうはいっても、いくらデザインの一部とはいえ、ゆかたに桜ってどうなのよ? と思うんですけどね・・・)

 

Yukiko_Matsuo 松尾 由紀子 (まつおゆきこ・Yukiko Matsuo ):
写真の勉強をしたにもかかわらず、写真はあくまでも趣味。
写真雑誌や猫雑誌の編集者を経て、今ではフリーで編集の仕事したりなんだり。
もともときものが好きで骨董屋の手伝いをしたりしてしているうちに、なぜか”きもの沼”にどっぷりと浸かる羽目に。
業界関係の集まりにきもので顔を出すと「どこの女将さん? 」、最近は洋服で行くと「今日はどうしたの? 」とまで言われるようになりました。袴姿で三脚を担いだこともあり、パンプスよりも草履のほうが早く走れる(はず!)。

「きもの倶楽部」= https://ameblo.jp/kimonokurabu/

Facebook= https://www.facebook.com/KimonoClubMaruko/

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