耐久レースはドラマだ!-4

耐久レースはドラマだ!-4

2019年1月31日 0 by_ 水谷たかひと
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オートバイレースでは転倒シーンを目にすることがある。

8時間もの長時間を戦う鈴鹿8耐ではそんな転倒シーンに出会ってしまうことも少なくない。ライダーにとっては命に関わる危険なシーンも、観ている人にとってはハードなクラッシュシーンは「迫力のある面白いシーン」の一つなのかもしれない。1台が転倒してもレースは続いていくのだが、ライダーとチームにとってはただ過ぎ去る1シーンではないのだ。

走行不能になればその場でリタイアとなり戦いが終わってしまう。それは単に走行してきた数時間が終わるだけではない。テストを繰り返し、鍛練を重ね、万全の準備をしてきたチームの約1年もの長い戦いが終わることでもあるのだ。

 

ライダーはそんなチームの戦いを背負っている。ボロボロに壊れた車体をなんとか起こし、壊れたマシンを引きずってでもピットへ戻り再スタートを試みる。簡単には諦めない。耐久レースはスプリントレースと異なり時間があるのでピットにさえ戻れればチームが懸命に修理、あるいは応急処置をしてまた走らせてくれる。ただでさえ炎天下で倒れそうな酷暑の中、革製の分厚いツナギを着たライダーは押してでも壊れたバイクをピットまで戻す。これも鈴鹿8耐ならではの戦いのドラマのひとつだ。ヘルメットから見えるライダーの目にはまだまだ熱が入っている。大丈夫だ。これならまだ戦える。

マーシャル(コーススタッフ)もそんなライダーやチームの戦いをよく分かっているので、安全を確保しながらバイクを起こしてサポートする。マーシャルも一緒に戦っているのだ。

 

ただ一つの転倒シーンかもしれないが、そこには多くのドラマが詰まっているのだ。

僕はライダーに怪我がないことをファインダーで確認しつつ、頑張れ!とシャッターを切る。

 

Top Photo Caption一度転倒すればオートバイはボロボロになる。スプリントレースならそこでリタイアしてしまうケースも多い。しかし鈴鹿8耐ではピットにさえ戻ればチームが直してくれる。ライダーは走行不能になったマシンを押してでもピットに戻って再スタートを試みる。

 

Takahito-Mizutani 水谷たかひと (みずたにたかひと・Takahito Mizutani ):
1968年東京生まれ。1990年東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。
冬季オリンピック、モータースポーツ、ウインタースポーツ、サッカー、ラグビー等を中心にヨーロッパで取材を続け3年後に帰国。拠点を日本に移しスポーツイベントを追いかける。

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